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第1章 ガゴルの夜明け

第1章 ガゴルの夜明け

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2017年 7月20日 25:20 

 

5時間もの長旅を終えた小さな飛行機がこの地に着いた。飛行場の周りは薄い光が照らし、未開の地へと降り立つ自分を少しだけ歓迎しているようだった

 

やっとたどり着いた感動と背中の痛みが天秤に乗って揺れている  

 

猿真似で覚えた挨拶をCAと交わしタラップを降りる。この国の人は鼻が高く目はブラウン色で唇は特に厚い  これが中央サニアと言ったところか・・・

 

他の国、及び途上国に行く時にいつも思うことだが空港のコンクリートに足をつけた瞬間

「俺は今地球のど真ん中に立ってるんだ!!」と漫画の主人公かのように興奮して意気揚揚になるあの瞬間がたまらなく好きだ。

その為に旅をしてると言っても間違いでは無い

 

着飾ったヒーロー気取りは深夜テンションのまま僕に纏わりつく。

 

そうしてまた新しい国で新しい旅が始まる


到着したのは、三か国目 ガゴル国

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日本から4000キロ 中央サニアに位置するこの国は14年前まで実質鎖国状態にあったため他国の文化が流入せず独自の文化を持っている。

勿論 極東に生活する日本人がビザなしで入れるわけがなく6000モヌス(3000円)も支払ってしまった。

長く旅する身としては少しでも経費を抑えたいけどそんなにうまくはいかないよね・・笑 

 

このガゴルには独自の文化が栄えたエワンカという都市がある。旅人の中では少しづつ人気になってるそう

入国審査には40を過ぎた長いひげを生やしたおじさんが座っていた。

 

見るからに眠そうで 隙ついたら不正入国できちゃうじゃんと思い

おじさんが僕に話しかけるのを待つ。 

 

まだ起きない

 

まだ起きない

 

お、やっと目開けてくれた笑

 

そんなおじさんが半目の状態で僕に問いかけた

 

「エキ ミトライ ワシュ カサラギ??」

・・・

 

 

 

ガゴル語で話しかけないでよ・・!

分かるわけないやん

いや、本当に鎖国してたんだな・・・英語通じないし。というかどうやって入国すればいいんだろう

 

到着早々ピーンチ

 

その時一人に若者がガゴル語らしき会話をして通訳してくれた  神様だ。

 

彼が眠そうなおじさんに丁寧に事情を伝えてくれたおかけで事なきを得て入国することが出来た。

 

彼にチップを渡したかったがまともにモヌスも持っていなかったので日本から持ってきたお菓子を渡した。あげたものは海外でよくウケると評判のチョコレートバーの抹茶味。「こんなにおいしいの初めて!!」とかなり喜んでくれた。

 

いきなりトラブルがあったけどやっぱり旅はこうでなくちゃ!!

 

楽しみになってきたな!とさっきの長旅の疲れもなかったかのような勢いでClaim Beltに向かいお気に入りの青いバックパックを取り出した

 

今回の世界一周にむけて友人が資金を集めてプレゼントしてくれたものだ 僕の友人のセンスは本当にすごい!僕の好きなツボをうまくついてくる天才だと思う

 

空港のドアを開けた瞬間生温い風が肌を湿らせた。


首都に位置するドルトイ国際空港は気温32度 さすが中央サニア!「今日はここで寝るしかないか」と空港の隅のベンチを確保して一夜を過ごす準備をする

 

向かいのベンチで横たわる老人の顔がやけにこの国のイメージを神秘的にさせた

 

そうだ、僕は今から誰も知らない世界を見に行くんだ

 

 

時刻は28:00  砂ぼこりに塗れた赤い満月が妙に心を躍らせた。

 

今更疲労と興奮、どっちが大きいか天秤にかける必要なんていらない

 

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午前4時 僕の旅はまだ夜が明けないころだ